プロローグ
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はるか昔、神話の時代。
すべての生物を凌駕する強大な力と、
神々に比肩する崇高な得を持つ一族がいた。
“竜”と呼ばれるその一族によって、世界は進化を享受し、
大いなる繁栄を成した。
ある日を境に、竜の一族は“白き竜”と“黒き竜”に分かれ、
激しい戦いを始めた。
強大な同士の衝突は、天変地異を引き起こし、
世界は荒れ果て、多くの生命がその姿を消した。
それから幾星霜……
白き竜と黒き竜の戦が伝説となり、伝説が神話となった今、
再び竜をめぐる混沌の時代が始まろうとしていた。
険しい山々に囲まれた北方の軍事国家、インシディア帝国。
「ただひとつの“チカラ”の下に、
弱者も強者もない、平等な世界を」
帝国軍は現皇帝・シュタインバーグによる“大いなる思想”のもと、
世界統一に向けて進軍を開始。
圧倒的な武力を誇る“黒竜騎士団”と
技術の粋を集めた最新の戦闘兵器の前に、
多くの国が屈し、帝国の領土として飲み込まれていった。
人々は、安住の地、家族、あるいは自らの命を失った。
ある者は、煙のくすぶる焼け野原を前にして、
ある者は、愛する者の亡骸を抱き、
そして、ある者は、薄れゆく意識の中で、
帝国の暴虐を打ち払う英雄の出現を願った。
その願いに呼応するように
いま再び、竜の血が脈動を始める。
竜は静かに目覚めの時を待っている。
運命に立ち向かう、守護者たちとともに……
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